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国際クレジットカードトラブル

国際クレジットカードトラブルとその対応

クレジットカードの普及に伴い、クレジットカードに関するトラブルが増え続けています。

そして、クレジットカードの国際化や海外旅行者の増加、インターネットでのショッピング、情報収集の広がりなどにより国際カードクレジットに関連する様々なトラブルも増加の一途をたどっています。

悪質加盟店による架空伝票の作成や伝票操作などの不正使用、偽造や詐欺のような犯罪に絡むケースなどもあります。

特に最近はインターネットに関わるクレジットカードトラブルが目立ちます。

国際クレジットカードに関するトラブルは、

  • 直接の契約先が海外であること
  • 言語が異なること
  • 規正法等が異なること
などにより、日本国内でのトラブルに比べて、利用者が自分で解決するのは非常に困難です。

また、クレジットカード会社や消費生活相談の窓口でも、こうしたトラブルへの体制が整っていないなどの問題もあります。

国際クレジットカードによるトラブルが、クレジットカード会社に持ち込まれた場合、その受付は、例えばお客様相談窓口などで行われますが、海外の加盟店契約会社や国際ブランドなどへの調査や交渉は国際業務の担当部署が行う場合が多く、この場合の対応はクレジットカード会社によって異なるようです。

クレジットカードトラブルがカード会社に持ち込まれた場合、まず、現地の加盟店から利用伝票を取り寄せるなどして事実の確認を行い、この時点で解決するケースもありますが、決済や不正請求のクレームなどをこの段階で解決できない場合には、「チャージバック」という手続きが行われる事になります。

チャージバックとは

国際クレジットカードのチャージバック制度

国際クレジットカードの利用での決済と不正請求等に関するクレームの処理についてはチャージバックというルールがあります。

国際クレジットカードは世界中に張り巡らされたネットワークですから、紛争に関して各国に共通する一定のルールが定められています。
このルールのことをチャージバックと言います。

チャージバックとは?

チャージバックとは、「代金請求の差し戻し」という意味を持ちます。

業界等の説明では、チャージバックの定義は、

イシュアー(カード発行会社)がアクワイアラー(現地加盟店契約会社)から取引データの提供を受けた後に、この内容が不当と判断された場合に意義を申立て既に支払った代金をアクワイアラーから取り戻す手続き
となっています。

一般的には利用者にクレジットカード明細が送付され、不正請求がクレームとして持ち上げられた場合に、カード会社からの請求に基づき、国際クレジットカード会社が問題の取引について調査し、
不正請求があれば支払い済みのカード代金を会員の口座に戻すよう加盟店に請求する制度のことです。

国内のクレジットカードと国際クレジットカード会社が提携しているカードであればチャージバックを受けられる可能性があります。

この手続きには、通常、検索請求という事前の手続きがあり、これにより解決される事例は、かなりの割合で高いと聞きます。

このチャージバック制度は国際クレジットカードのトラブル処理の基本ともいえる制度で、実際に日本国内のクレジットカード会社も海外関連のトラブル処理にはこの制度の適用を受けることになります。

チャージバック制度は、OECD(経済協力開発機構)が1994年に行われた「消費者のための世界市場会議」から世界的な統一を行おうと取り組んでいます。

この会議を受けてCCP(消費者政策委員会)がこの制度の調査を行い、その後の各国政府代表間で討議が続けられましたが、欧州の通貨統合関連の動きや消費者の権利的な位置付けへの抵抗などもあり、各国の対応はバラバラで討議は難航しています。

チャージバックのトラブルへの対応状況

チャージバック関連の一連の制度は、国際クレジットカードトラブルの基本ともいえる制度です。

しかし、日本では、まだまだ知られていることが少なく、この結果、トラブル処理が難航している原因でもあると考えられています。

国際クレジットカードのトラブルは、チャージバック制度を中心に処理されます。
これらの手続きは、国際ブランドによって詳細に定められています。

いずれにしても、海外とのやり取りであり、国内の処理とは異なり手続きにかなりの時間を要することを覚悟する必要があります。

最近では、銀行系クレジットカードの業界団体である日本クレジット協会や各クレジットカード会社などが、一般消費者に国際クレジットカードについての注意を呼びかけるパンフレットを作成・配布するなどの動きがあるものの、一般のクレジットカード利用者、国際クレジットカードの相談処理をする機関の担当者でさえも、チャージバックについてクレジットカード会社から説明を受けたりすることはほとんどないのが現状です。

クレジットカードの利用者や消費生活センターなどがチャージバックの手続きの基本を理解し、利用にあたっての注意事項を把握することが、不用意なトラブルを未然に防ぐ手段となります。

チャージバックの関連手続き

チャージバックの基本と関連手続き

ここでは、海外関連取引に適用されるチャージバック、カード発行会社と加盟店契約会社が別の企業団体であるVISAとマスターのチャージバック制度を例にしてご紹介します。

原則・基本事項

すべての当事者(イシュアー、アクワイアラー、会員、加盟店など)には平等にチャージバックを行う権利と義務があります。

チャージバックには、期間の制限、証拠書類の添付など詳細な手続きが定められていて違反すると門前払いとなります。

【チャージバック理由(リーズン)】

VISAやマスターなどの各国際ブランドには、それぞれ独自のリーズンを定め、詳細なマニュアルを設けられていますが、その内容は非公開とされています。
(一部掲載資料あり)

■チャージバックは理由(リーズン)ごとに、これを行うことができる期間が45日、120日などと定められていて、これを過ぎるとチャージバックを行うことが認められないことになっています。

■チャージバックは、書面審査が原則で証拠が重要です。
口頭による申立は役にたちません。
証拠となる書類には、取引のデータ、信用照会端末の記録、例えば、ホテルなら宿泊人記録など様々な書類が含まれます。

【国際クレジットカードでのチャージバック関連手続きの流れ】

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検索請求

苦情が発生した場合、まず会員またはクレジットカード会社(イシュアー)が、その取引のデータを調べるために海外の加盟店契約会社(アクワイアラー)に伝票の写しなどの送付を請求します。
クレジットカード会社によると、この時点で解決する例もあるそうです。

チャージバック手続き

一定の期間(30日以内)に検索請求について、回答がない、同意したのに返金がないなどの場合は、チャージバックを行います。(初回)

初回のチャージバックに対して一定期間内に返金されない場合やアクワイアラー(加盟店契約会社)から必要な取引データが提示されて反論が合った場合は、第2回目のチャージバックを行います。
チャージバックは、原則として2回までとなっています。

アービトレーション(裁定)

アービトレーションとは、両者間でチャージバックの案件を解決できない場合、チャージバックに関わる最終責任者の確定を国際ブランドの手に委ねる手続きのこと。

チャージバックのいずれかの段階で、国際ブランドに提訴する形で行われます。

国際ブランドは、その案件をあらゆる角度から検証し、最終判断を下すこととなっています。

コンプライアンス

チャージバックに平行して、さらにコンプライアンスという手続きがあります。
コンプライアンスのクレジットカード業界における定義は、

あるメンバーが国際ブランドのルールに違反した結果、他のメンバーが金銭的損失を被り、(または被る恐れがあり)争いが生じたが、チャージバックによってこれを解決する方法がない場合、解決を国際ブランドに求める手続き
となっています。

この手続きは、チャージバックルールよりも上に位置する手続きで、国際ブランドのメンバーが国際ブランドのルールに違反して、他のメンバーに金銭的損失を与えた場合、この権利を行使することができるとされています。

チャージバックの事由

すべての当事者(イシュアー、アクワイアラー、会員、加盟店など)には平等にチャージバックを行う権利と義務があります。

しかし、どんな場合でもチャージバックできるというわけではありません。

チャージバックにはそれなりの理由(リーズン)が必要であり、それぞれ独自のリーズンを定め、詳細なマニュアルを設けられていますが、その内容は非公開とされています。
(一部掲載資料あり)

チャージバックに必要な主な事由

  • 請求遅延
    (カードを利用した日から一定期間経過後の請求)
  • 売上げ分割
    (同じ一つの取引を複数の売上伝票に分けて取り扱われている場合)
  • 請求金額ミス
  • 金額の変更
  • 売上げと取り消し伝票などの誤った処理
  • 二重請求
  • 伝票写しの返送がない、または判読不能
  • サイン漏れ
  • インプリント漏れ
  • サービスが提供されていない
  • 商品が届いていない

国内取引のチャージバックについて

国際ブランドで決められているチャージバックルールは、すべて国際取引に適用されるものです。

アクワイアラーとイシュアーのどちらもが日本国内のクレジットカード会社の国内取引には適用されません。

国内取引でのチャージバックルールについては、各ブランドの国内組織で検討されることになっています。

トラブル事例:ショッピング

キャンセルしたはずの商品代金の請求がきた。

海外のある店でお土産を買った。
はじめは、クレジットカードで払おうと売上げ伝票にサインしたが、手持ちの現金でも買えることに気付き、現金で支払った。
しかし、帰国後、キャンセルしたはずの商品代金の請求がきた。

現金でショッピングをした場合に記録をメモに残すのは面倒なものですが、クレジットカードの場合には「お客様控え(Card Holders Copy又はCustomer Copy)という伝票の写しが渡されるので、これで確認することができます。

この事例の場合やただ返品する場合など、その場でキャンセルした伝票をきちんと自分で破棄するか、目の前の破棄してもらうか、または「取り消し伝票(Credit Vouchre)」を起こしてもらうこと。
そしてこの伝票の控えも保管しておきます。

この事例のような場合には、現金払いの領収証か取り消し伝票があればその控えをクレジットカード会社に提示してクレジットカード会社を通じて改めてキャンセルすることができます。

1つの商品を購入しただけなのに、他に覚えのない商品の請求がきた。

海外のある国で1つのバックを買った。
クレジットカードで支払った際、店員がカードを店の奥に持って行き手続きに時間がかかったが、あとは特に問題はなく普通に伝票にサインした。
しかし、帰国後のカード代金の請求書には、もう一つ覚えのない請求がある。
伝票の控えには、バック1つ分以外の記載はない。

クレジットカードを利用した場合、信用照会端末の伝票、またはインプリンターというカーボンをとる簡易な機械かカーボン紙などで写しをとって伝票が作成されます。
これが売上伝票です。

これを加盟店契約会社に回付することで販売店は代金が受け取れるという仕組みです。

悪質な加盟店では、架空の伝票をつくるという手口が使われることがあります。

この事例の場合、店の奥で、伝票を作成する際に店員がもう1枚伝票の写しをとり、後でサインを真似て勝手な金額を書き、架空の伝票を作ったか、カーボン紙に残ったクレジットカード番号などで伝票を作った可能性が考えられます。

国内でも飲食店で泥酔いしていた時に、カードで架空の伝票を作られ、請求されるなどの例もあります。

海外では国内以上に悪い店員や悪質な加盟店があると考えられることから、クレジットカードを使う場合には、店側のクレジットカードの取り扱いに注意する必要があります。
できるだけカードから目を離さないように。

この事例のような場合には、早急にクレジットカード会社に連絡し、伝票の控えを示して取り消し手続きを依頼します。

別送品が届かない

ある国で気に入った家具を見つけクレジットカードで支払いをした。
家具は自宅に送ってもらう手配をして帰国した。
しかし、帰国後3ヶ月が経ち、クレジットカード代金も引き落とされたのに家具が届かない。

商品の別送を依頼する場合、

  1. 店名(住所、連絡先、担当者名)
  2. 購入年月日
  3. 商品の明細書
  4. 商品の値段
  5. 発送日・到着予定日

  6. 発送方法(航空便か船便か)
  7. 送料(負担者)
  8. 発送先
  9. 保険の有無、保障の内容
など、発送についての詳細が確認できる書類などを必ず受け取っておきましょう。

この事例のように、商品が届かず、販売店に問い合わせる時やキャンセル手続きをする時などに必要となります。

発送方法、時期、在庫などにより、クレジットカード代金の決済の方が先になることもあります。

トラブル事例:レストラン

食事代金よりも高い請求がきた

ある国のレストランで食事をした。
クレジットカードで支払う際、食事代金を確認してサインをした。
しかし、帰国後、3割近く高い請求がきた。
クレジットカード会社に問い合わせたところ、チップの欄を空白にしたために書きこまれた金額ではないかという返答が返ってきた。
日本国内ではサービスに対してお金を払うということが一般化しているとはいえない状況です。

海外、特に欧米などではサービスは有料という考えが定着しており、例えば、レストランで給士してくれた人などにチップを渡すという習慣があります。

海外旅行先で飲食をしてクレジットカードで支払う場合に「小計」欄のみ記入されている伝票を差し出されたら「チップをお願いします。」ということです。

サービスに不満がないなら、チップを書いて合計金額を記入した上でサインすることになります。
チップは、料金の10~15%程度が目安です。

セルフサービスのカフェなどチップが必要ないところもありますが、こうした習慣を知らないで、トラブルになるケースがあるので注意が必要です。

この事例は、伝票に食事代金のみが記載されていたということですから、チップ(TIP)と合計(TOTAL)金額を書かないと勝手に書き込んでもよいと理解されて書きこまれてしまうということでトラブルになっている例が少なくありません。

ただし、国や地域により習慣が異なるので一概にはいえません。
習慣をよく確認して対応することが必要です。

空白にしてあったから記載された金額をすべて負担しなければならないかは問題です。
ケースによって一概には言えませんが、一定の金額には授業料として甘受することも一つの考えです。

トラブル事例:ホテル

海外のホテル予約。キャンセル時に連絡しないと不泊料金を請求される。

初めて自分でホテルを予約した。
その際、手続きに必要と言われてクレジットカード番号を伝えた。
しかし、事情があり泊まることなく、キャンセルの連絡もしなかった。
帰国後、クレジットカード会社から宿泊料の請求がきた。
海外でのホテルの宿泊やレンタカーの利用では、クレジットカードを持っているということが、身分証明になるとともに支払いの保証も意味するということで大変役立ちます。

まず、ホテルでのチェックインやレンタカーの申し込みの際に「現金払い」では宿泊できないことや車を借りられないことや保証金をとられることもありますが、クレジットカードがあればスムーズに手続きできます。

パスポートなどを示して契約書を読みサインすれば手続き完了です。
その後の精算はすべてカードで行われます。

ホテルのチェックインでは、カードを提示すると宿泊登録カードと売上げ伝票にカード番号を記入し、宿泊中のすべての支払いをカードで処理することになります。

予約の際にも、カードは便利です。
世界的なチェーンでは、日本国内に予約センターがあり、そこに電話で予約することができます。

旅行代理店を通じるよりも安くすむこともあります。

予約の際に、カードで支払うことを伝えると、ホテルは到着まで部屋を確保しておいてくれるので安心です。

こうした方法は「カードギャランティ予約」というもので、特に米国は一般的な手続きです。

宿泊希望日と部屋のタイプなどを伝えるとクレジットカードの種類と番号と有効期限を聞かれます。

キャンセル条件と予約番号が記載された予約確認書が届き、これによりチェックインが容易にできることになります。

この事例では、「不泊料金(No show change)」を請求されたというものです。

日本では一般的にホテルを予約して宿泊しなくても宿泊代金を請求されることはありません。

しかし、海外では、ホテルの部屋を予約してキャンセルしないと室料を請求されます。
これを、「不泊料金(No show change)」と言います。

キャンセル条件として決められた期限までにキャンセルしないと予約時点で告げたカード番号に宿泊料金の請求をするというものです。

レンタカーでも、予約した時間に行かなかった場合などに請求されます。

キャンセルの際は、きちんと連絡し、取り消し番号(Cancellation Number)、日時、担当者名を控えておく必要があります。

トラブル事例:レンタカー

海外で利用のレンタカーは、未清算分の追加請求がある場合がある

海外旅行中、レンタカーを借り、1日利用してクレジットカードで支払った。
帰国後、クレジットカードの請求書を見ると利用した際に受け取った伝票の控えよりも約5000円程多く請求されていた。

レンタカーを予約した際に案内される料金は、ガソリン代、税金、任意保険料等の諸経費用を除いた車両のレンタル料金のみです。

現地で実際に車を引き渡される際にレンタカー会社から渡される書面が契約内容となります。

サインをするとその内容に拘束されるので注意が必要です。

万が一に備えて保険に加入しておくほうがよいのですが、保険の加入料、車の乗り捨て料などは、基本料金に加算されて請求されます。

車を返却する際には、ガソリンを満タンにして返却するのが原則で、不足のまま返却すると別途代金を請求されます。

こうした追加の請求については、伝票にサインしていなくても請求できることになっているので、帰国後に送られてくるクレジットカード代金の明細と伝票をよく付け合わせて確認しましょう。

同様にホテルでも追加請求されることがあるので、ホテルで自分が利用したものはよく覚えておきましょう。

特に、ホテル内のミニバーや電話代などチェックアウト時に精算が間に合わなかったものは、伝票にサインがなくても後から請求できることになっています。

こうした場合の伝票には、「ON FILE」「S.O.F.」などと記載されています。
(正式には「SIGN ON FILE」)

これについては、契約の際(ホテルではチェックイン時、レンタカーでは車両の引渡し時)に渡される利用契約書(約款)に書いてありますが、英語などで書かれているので気が付きにくいので注意しましょう。